治療効果とその謎
LEDは医療、美容、植物育成にも効力を発揮するとして、LEDエネルギーの新しい活用方法がいたるところで開発されています。
特に、人間に有害な紫外線、熱線を除いた可視光と呼ばれる赤色から青色までの色光線を単独、または組み合わせて使用することによって信じられない程の効果が世界の研究者から発表されています。
光と色の関係
電磁波の一種である光は、人間の眼に入り、「色」という感覚を引き起こします。
光自体は「色」ではなく、目が光の強弱と波長の相違を刺激として感じ、脳が働いて、「色」の識別につながるのです。電磁波の中の、人間の目に見える範囲を「可視領域」といいます。その波長の幅は、360~400nmから760~830nmと、極めて狭い範囲です。
また、それぞれの波長の可視光線が、人の目には異なった色を持った光として感じ、各波長の可視光線の色は、上記の様に、左(短波長側)から紫、青紫、青、青緑、緑、黄緑、黄、橙、赤です。
各波長の効果
620~780nmの長い波長を持つ赤色LEDは細胞の活性化を促すという見解から肌のアンチエイジング、コラーゲンを増殖させるという研究発表から小じわ、ツヤ、毛穴、ハリ等の悩みを解消するということから、美容、エステ、等の業界で注目をあびています。LEDを使用した増毛サロンに問い合わせが殺到しているとか・・・。
570~585nmの波長の黄色には害虫が寄りにくいと言うことから、除虫剤を使用することなく安心して食する植物を育成する目的で農業への導入がスタートしています。LEDの各色をコントロールして野菜を作る大型農業を植物工場と呼び、LED光栽培と水耕とを組み合わせた事業が始まり、世界の注目を集め始めています。
440~490nmの波長の青色に関しては殺菌作用が強く、冷蔵庫や浄水器等の最新家電に使用されだしました。又、青色系は精神的にも安定させる力が働くことから街灯を青系のLEDを設置して犯罪の撲滅を図ろうという自治体も出てきています。LEDへの関心が強いのはやはり、医療機関でその研究は凄まじいものです。
しかし、上記のように研究と注目の的になっているにもかかわらず、LEDの効果のメカニズムが解明されていない部分が多々あります。
特に医療分野では糖尿病の深刻な合併症を改善したり、視力を回復したりする力が知られていますが、そもそもなぜこのような奇蹟的な効果があるのかは、誰にもわかっていないそうです。『ウォルター・リード陸軍研究所』(WRAIR)の分子病理学部門を率いるマーティ・ジェット博士は「なぜこのような効果があるのか、明確な理由はわかっていない。いくつかの仮説があるだけだ」と語っています。
サーカディアンリズムへの影響
ヒトの目の網膜には、光の色を感知する「錐体」と、暗い所でも明暗を感知する「桿体」という2つの視細胞が発見され、サーカディアンリズムをコントロールする役割を果たしていることがわかってきました。この「第3の光受容体」は460NMという強いエネルギーを持つ光のみに反応します。
つまり、ブルーライトこそ、体内リズムを整え、健康を維持する上で重要な役割を果たしている光だったのです。
ブルーライト研究会ホームページより引用
サーカディアンリズムとは
「概日リズム」とも呼ばれます。約24時間11分周期で変動する生理現象で、動物、植物、菌類、藻類などほとんどの生物に存在しています。普段は(一般的には)「体内時計」などと言われます。英名はラテン語の「おおむね1日」の意味から名づけられました。
厳密な意味では、概日リズムは内在的に形成されるものですが、光や温度、食事など外界からの刺激によって修正されます。